理事長室だより第11号をお届けします。
  年が改まって、最初の理事長室だよりとなります。今年もどうぞよろしくお願いします。
 さて早いもので、本学も法人化して3年目を迎えようとしています。また、来年、平成22年は開学60周年、創基65年という節目の年に当たります。改めて、建学の精神である「進取の精神と自由闊達な気風」、「医学・医療の攻究と地域医療への貢献」を高らかに掲げ、最高レベルの医科大学を目指し前進していかなければならないと決意を新たにしているところです。
 それでは、最近の本学の動きをお知らせします。

年頭の記念講演について
 今月5日、年頭にあたりまして、教職員の方々に「札幌医科大学の到達点と今後の展望」と題して、お話しさせていただきました。その概略を改めて述べさせていただきます。
 まず、教育、研究、医療、地域貢献の各分野における本学の到達点として、教育については、「地域密着型チーム医療実習」を始めとする各種GPで積極的な展開が進められており、さらに、昨年10月、学部共通カリキュラムの検討やGPの企画、FD、SDの充実を図るため、医療人育成センターを発足させました。
 研究では、橋渡し研究拠点として、道内3医育大学の「オール北海道先進医学・医療拠点形成」プロジェクトが採択され、北海道臨床開発機構という実用化の一歩手前を支援する拠点を立ち上げました。医療の分野では、教員の先生方には頭の下がる思いですが、北海道の隅々に多くの医師を派遣させていただきますとともに、がんプロフェッショナル養成事業の実施や、緩和医療の取組なども展開しているところです。
 最後に、地域貢献としては、報道機関との連携に基づく公開フォーラムの実施や、HBCとの共同制作番組の放映など、本学の有する知識・情報の提供を戦略的に進めています。
 また、戦略的大学連携支援事業では、本学を含む道内5大学や自治体が連携して、医師や看護師、理学療法士、作業療法士だけではない多彩な地域医療の担い手を育成し、連携の裾野を広げ、ひいては地域の活性化につなげることを目指しております。
 今後の展望といたしましては、これら本学の取組を踏まえ、より発展的で未来につながるような、夢のある研究を支えていく体制を検討していきたいと考えております。
 本年も、皆様のより一層のご支援・ご協力をお願いいたします。

「大学教育改革プログラム合同フォーラム」に出席しました
 12日の成人の日、横浜市で開かれた文部科学省主催のフォーラムにおいて、「質の高い大学教育推進プログラム」の審査部会委員の一人として、平成20年度採択となった大学の事例発表者の方々とのパネルディスカッションに参加いたしました。
 各大学の事例発表は、今日本の学生が抱えている、言い換えれば日本の大学が抱えている問題に真正面から取り組み、それを解決しようというチャレンジングなものばかりでした。一方で、GPの事業の実施から、その評価に至るまで教職員の方々がそれぞれ大変なご努力をされているということも改めて実感いたしました。

 上記フォーラムには、休日にもかかわらず、本学の教職員もポスターセッションに参加しており、大変ご苦労さまでした。今年も教職員の皆様のご協力を得ながら、本学をより良いものにしていきたいと考えております。本年も一層のご指導、ご協力を賜りますようお願いいたします。