札幌医科大学 
理事長室だより -第10号-



 

第10号 平成20年12月12日

 理事長室だより第10号をお届けします。

  先日、HBCで放送された「命をつなぐ〜北海道の医療を見つめて」に学生の皆さんと出演させていただきました。番組の中では本学の地域密着型チーム医療実習の取組を紹介していただき、北海道が抱える地域医療の問題について、本学の果たす役割を情報発信する大変良い機会であったと感じております。
 それでは、最近の本学の動きをお知らせします。

  ○第4回日本抗加齢医学会北海道研究会「市民公開講座」が開催されました

  先月22日、同研究会と本学の共催で、「今、問題のメタボリックシンドロームを考える」と題した市民 公開講座を開催し、本学記念ホールにおいて多くの市民の方にご参加いただきました。

 今年から始まったいわゆるメタボ検診の取組を切り口として、4名の講師の方からメタボリックシンドロームがなぜ問題なのか、さらにその予防などについてわかりやすいご講演をいただきました。
 特に、本学名誉教授の熊本悦明先生には、「今何故男性更年期なのか?広義の”男性力”を考える」と題し、男性更年期についてのご講演をいただき、当日は、小雪の舞う生憎の天気でしたが、先生の熱い口調に刺激され、会場からも活発な質問があり、外の寒さを吹き飛ばす熱気が感じられました。

 昨今、日本経済の冷え込みが伝えられ、不況の影が色濃くなってきていますが、中高年のパワーこそ復活のカギではないかとそんな希望を持たせていただいた公開講座でした。


  ○ 「留学生30万人計画」について

  
政府は、いわゆる「骨太の方針2008」のなかで、日本を世界により開かれた国とし、グローバル戦略を展開する一環として、2020年を目途に留学生受入れ30万人を目指すとしています。これは、優秀な留学生、特にアジアの諸外国の留学生が、欧米を始めとする他国に流出しているという危機感が背景になっています。大学にとっての留学生の受入れは、大学が知の拠点としての役割を果たすために必須であるというだけでなく、多国籍の留学生との交流により日本人学生自身の国際化を促すという効果も期待されるところです。

 先日、本学の北方医学交流事業などにより、海外の大学との交流活動に参加された研究者と学生の方々の活動報告会が開催されました。その報告の中でも、お世話になった交流先の方が、逆に本学に勉強に来ているという例も報告されましたが、留学生の受入れは、送り出す国と受け入れる国との相互理解が大変重要です。その上で、本学自身が国際化していくための努力、たとえば英語による講義の実施など地道な取組みを積み重ねるこ
とよって、国際的にも開かれた、文字通り「最高レベルの医科大学」を目指していかなければなりません。今後、教職員の方々、そして、学生の皆さんとも国際化の必要性について、ともに考えていきたいと思っています。


 さて、最近は温かくなったり、寒くなったり不安定な気候が続いていますが、インフルエンザが例年より早く流行の気配を見せています。くれぐれも健康管理にはご留意ください。

 本号は、本年最後の理事長室だよりとなります。

 少々早いですが、皆様、良い新年をお迎えください。