哲学・倫理学

概要

西洋哲学・倫理学を踏まえ、現代の医療・保健・福祉における生命倫理・医療倫理の問題を研究しています。 

研究内容

  1. カント哲学とドイツ啓蒙哲学
    カント哲学がドイツ啓蒙時代のどのような哲学の影響を受け形成され、独自の思想を生み出したのかを研究しています。蓋然性、仮象性、幸福、人間性が主なテーマです。
  2. ターミナルケア
    安楽死・尊厳死の問題を、自己決定の側面と人間存在の依存性の側面から考察しています。患者の自律を支えるために、個々の患者のための説明の必要性と、さまざまな生命観、価値観、人間観をもった人間性の理解の必要性を提示しています。
  3. 西洋倫理学史と倫理理論
    伝統的な倫理学の流れにある倫理理論として、功利主義、義務論、徳論の研究をしています。現代生命倫理の礎となる、J・S・ミルの功利主義、ドイツにおける尊厳に基づく生命倫理の基礎にあるカントの義務論、そして、人を周囲の人々と本質的に結びついた存在としてとらえる共同体主義者のひとりであるチャールズ・テイラー、アリストテレスの徳倫理学に即して、現代の諸問題を再考しようとするアリストテレス派のひとりであるマーサ・ヌスバウムを主に研究しています。
  4. 独居高齢者と地域社会
    独居高齢者のさらなる増加が予測される中、こうした高齢者を地域社会の成員としてどのように支えていけばいいかを検討しています。北海道在住の65歳以上90歳未満の独居高齢者のインタビュー調査を実施し、独居高齢者と地域社会のあり方を哲学・倫理学的に考察しています。
  5. 個人と共同体
    配偶者との死別等において一人暮らしを続けていく独居高齢者は、同居家族がいた頃よりも一層人との交流を求める気持ちを強めていくことが多いです。しかし、共同体に入っていくことを望みながらもそこに入っていくことに困難を感じたり、そこから離れていったりする高齢者がいます。共同体よりも個人を優先しようとの社会の風潮が、高齢者の生活にも影響を及ぼしているといえます。そこで、近代文明以降個人主義が台頭してきた中、それに危機感を感じ、正面から共同体のあり方の問題に取り組んだ、ドイツの二人の現象学の哲学者マックス・シェーラーとエディット・シュタインによる個人と共同体についての哲学的分析を研究しています。
代表的な文献
  • Funaki S.(単著), Kants Unterscheidung zwischen Scheinbarkeit und Wahrscheinlichkeit. Ihre historischen Vorlagen und ihre allmähliche Entwicklung (eds. Norbert Hinske), Peter Lang, Frankfurt am Main 2002.
  • 船木祝(共著):認識の批判と拡張—カントにおける「仮象性」と「蓋然性」の区別—,『近代からの問いかけ—啓蒙と理性批判—』(カント研究会編). 晃洋書房, p28-55, 2004.
  • 船木祝(共著):「幸福」と「道徳」—1780年代初頭頃に至るまでの「判断力」をめぐるカントの思想形成過程—, 『判断力の問題圏』(カント研究会編). 晃洋書房, p68-86, 2009.
  • 船木祝(共著):いま生命倫理学に求められている人間観とは,『戦争を総合人間学から考える』(総合人間学会編). 学文社, p154-163, 2010.
  • 船木祝(共著):倫理とは何か、『生命倫理学∕医療と法 講義スライドノート第3版』(粟屋剛、山下登、宍戸圭介、加藤穣編). ふくろう出版, p2-11, 2016.
  • 船木祝(共著):悲嘆に苦しむ人たちとともに生きる社会,『日本臨床死生学会 増刊号 サイエンスとアートとして考える生と死のケア—第21回日本臨床死生学会大会の記録—』(小山千加代編著). エム・シー・ミューズ, p147-161, 2017.

担当科目・連絡担当科目

学部
  医学部 保健医療学部
担当科目 医療倫理学
哲学
死生学
新入生チュートリアル
倫理学 
哲学と科学

大学院

  医学研究科 保健医療学研究科
担当科目 前期研修プログラム(医学研究入門セミナー)   ヒューマンサイエンス研究法特論1、2
看護倫理特論

教員

准教授 舩木 祝
  • 専門分野:
    • 西洋哲学
    • 倫理学
    • 生命倫理 
  • 研究テーマ:
    • カント哲学
    • ドイツ啓蒙哲学
    • ターミナルケア
    • 独居高齢者
    • 個人と共同体 
  • 所属学会:
    • 日本医学哲学・倫理学会
    • 日本臨床死生学会
    • 人体科学会
    • 日本生命倫理学会
    • 日本カント協会