NHKつながる@きたカフェ「からだQ&A」に内科学第3講座・高橋弘毅教授が出演

本日放送:NHKつながる@きたカフェ「からだQ&A:高齢者肺炎にご用心」に内科学第三講座・高橋弘毅教授が出演協力しました

つながる@きたカフェ
NHK つながる@きたカフェ
「からだQ&A:高齢者 肺炎にご用心」

○放送日時:1月18日(火)放送 午前11時30分から12時
○NHK 『つながる@きたカフェ』 からだQ&A


今回のテーマは「高齢者 肺炎にご用心」です。
日本人の死亡原因の第4位である「肺炎」。特に高齢者は注意が必要です。

* Q.「肺炎」とはどんな病気?
o 肺炎は、細菌やウイルスが肺に感染して炎症をおこし、高熱や咳などのつらい症状をもたらします。
o 肺炎をおこす細菌などの病原体は、数十種類あります。
o 症状が似ているため、かぜと誤解することが多くなります。
* Q.高齢者は要注意ということですが、なぜですか?
o 高齢者の肺炎は症状の出方がわかりにくいため、気づいたときには悪化しているケースが多い。
o 体力がないため直接命に関わる場合が多くなる。
* Q.肺炎の症状は?
o 一般的な肺炎は、38度を超える高熱、強いせき、色のついた痰、胸の痛みなど。
o 症状が3、4日続いた場合は、肺炎を疑う。
o 高齢者の場合は、熱が出ないなど典型的な肺炎の症状が出ない場合もあるので要注意。
o 高齢者は呼吸数が増える、皮ふや舌の乾燥(脱水症状)、元気がない、食欲がないなどの症状も見られる。
一般的な肺炎の症状に比べて特徴的な症状にも注意が必要。受信はいち早く。
* Q.高齢者に注意が必要な肺炎は?
o 「肺炎球菌」による肺炎
o 誤嚥性肺炎
o この2つに気をつけることで、高齢者の肺炎の大部分は防ぐことができる。
※肺炎球菌による肺炎は多いが、肺炎のすべてではない
* Q.「肺炎球菌」による肺炎とはどういうもの?
o 肺炎は肺炎球菌によるものが最も多く、高齢者がかかった場合は重症化しやすい。
o 予防
+ ワクチンの接種。1回の接種で役5年間は十分な効果がある
+ 接種をお勧めするのは65歳以上の人。
65歳未満でも、免疫力の低下、呼吸器や心臓・腎臓などに慢性の病気、糖尿病の方
* Q.インフルエンザと肺炎
o インフルエンザにかかると、特に肺炎を併発しやすくなる。これを二次感染による肺炎と言う。
重症化しやすく、死亡するケースも。
o まずインフルエンザにかからないようにするのが大切。
o 「インフルエンザワクチン」と「肺炎球菌ワクチン」の接種がおすすめ。
ワクチン接種の順番はどちらが先でも良いが、接種と接種の間隔を1週間以上あけること。
* Q.「誤嚥性肺炎」とはどのような肺炎?
o 細菌に感染しただ液が気管に入ることで起こる。
o 高齢者や認知症、脳梗塞の後遺症が残っていて飲み込み機能が低下している人は特に注意が必要。
* Q.「誤嚥性肺炎」はどのようにかかる?
o 誤嚥性肺炎の多くは寝ている間に起きる。
o 加齢によりだ液の量が少なくなると、細菌が繁殖しやすい。
o のどの周りの筋肉や飲み込みの神経が衰えた高齢者の場合、横になることで唾液や胃液などが気管に吸引(逆流)しやすくなる。
o だ液に含まれた細菌が気管から肺に入って肺が冒されることで肺炎になる。
* Q.飲み込み機能の低下を知る方法は?
o だ液の量と飲み込みの機能をチェックする方法
+ 30秒間に、何回だ液を「ごくり」と飲み込めるか調べる。
+ 3回以上できればOK。できない場合は要注意。
+ できない方は誤嚥性肺炎を含めた飲み込みトラブルの可能性があるので、耳鼻咽喉科での受診をおすすめします。
* Q.「誤嚥性肺炎」にならないためには?
o 口の中を清潔に保つ。
寝る前の歯磨きと、舌を清潔に。口腔内を清潔に保つ。
o 口、舌、ほおなどの筋肉を刺激し、飲み込み機能を改善させる。
o 食事のあと、胃液を逆流させないことが大切。食後は、座った姿勢をとるなど、すぐ横にならない。
o 誤嚥性肺炎は再発を繰り返す特徴がある。また、脳梗塞にかかった方は誤嚥性肺炎にかかりやすい。
脳梗塞の再発を予防する薬は、飲み込み機能などを改善し、「脳梗塞」と「誤嚥性肺炎」の予防薬として用いられる。
※薬は脳梗塞にかかったことがある人が対象。脳梗塞の後遺症がある方は医師に相談を。

肺炎やインフルエンザなどにかからないために、日ごろから「手洗い・うがい・適度な運動」などの心がけも必要。

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  • 経営企画課広報