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プレスリリース・メディア

読売新聞記事掲載(緩和医療学講座 岩本特任講師)

読売新聞「医療・介護・健康ニュースyomiDR.」に緩和医療学講座・岩本特任講師の活動が紹介されました。

読売新聞掲載写真

読売新聞掲載写真(無断転用禁止)

 読売新聞の医療・介護・健康ニュースyomiDR「最期を選ぶ(5)米の指示書 医師が記入も 」に、本学寄附講座・緩和医療学講座 岩本喜久子特任講師の活動が紹介されました。

(読売新聞掲載記事内容)2011/05/27, 読売新聞朝刊
米国では、最期に受けたい医療を医師にどう伝えているのか。記者(藤田勝)は、終末期医療に関心を持つ札幌市の内科医、宮本礼子さん(桜台江仁会病院認知症総合支援 センター長)らに同行、米国でも特に患者の自己決定権を尊重する意識が強いオレゴン州のポートランド市を訪れた。
 緑の多い公園のような敷地が広がる老人ホーム。個室に暮らすミリー・ミラーさん(96)は、読書会や施設運営費の募金活動などをして毎日を楽しく過ごす。延命医療について尋ねると「何もしてもらわなくていい。それが楽でしょ」。
 ミラーさんが最期に受けたい医療は、ピンク色のA4判のカードに書き込まれている。「生命維持治療のための医師の指示書」。英語を略して「POLST」(ポルスト)と呼ばれる。
 米国では、終末期医療の意向を伝える事前指示書が法的効力を持ち、大人の2~3割が持っている。だが近年、普及率は頭打ちだ。患者本人が書いて自分で保管するため、肝心な時に置き場所が分からなかったり、内容があいまいだったりすることが多いという。
 これに対してポルストは、医師が書くのが特徴だ。
 心臓や呼吸が止まった時の蘇生、管を使った水分・栄養補給、抗菌薬の使用——。カードに記載されているこれらの治療を患者に十分説明した上で、終末期に実施するかどうか、希望を聞いて記録する。患者に判断力がなければ、代理人と相談して決めてもいい。
 現地事情に詳しい札幌医大緩和医療学講座特任講師の岩本喜久子さんによると、カードの現物は患者に渡すが、もし見つからなくても問題はない。カードの有無や内容は電子カルテにも記録されるため、救急搬送先が同じ電子カルテを使えれば即座に確認できるし、施設や主治医からコピーを送ってもらうこともできる。
 ポルストは、オレゴン州で20年前に開発された。同州では老人施設に入る際、ほぼ全員が作成を求められる。医師は重症患者を診る際、ポルストの有無を確認するよう訓練されている。
 ミラーさんは今年1月、重い肺炎で入院した。高齢でもあり、命に関わる可能性もあったが、医師は彼女のポルストに従い、最小限の処置をして退院させた。幸い、体調は回復した。
 今では米国の11州がポルストを導入。計画中を含めると30州を超える。
 数多くの認知症患者を診療する宮本さんは「事前指示書は本人が認知症になると書けないが、ポルストは本人の同席のもと、医師が代理人の意見を聞いて書ける。意に反した過剰な延命処置を避けられるのではないか」と話している。

(2011年5月27日 読売新聞掲載 許諾済み・無断転載禁止)
  • 経営企画課広報
  • 発行日:2011年06月06日