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呼吸器・アレルギー内科ってどんなところ?

平成20年より札幌医科大学附属病院の内科診療の分担領域が決定され、当科は主に肺がん、間質性肺炎などの呼吸器疾患、肺炎・肺結核などの呼吸器感染症・気管支喘息をはじめとしたアレルギー性肺疾患の診療を行っています。しかし呼吸器一つ取り上げても、例えば間質性肺炎といった病気は、リウマチ膠原病が原因のこともありますし、肺高血圧症などを引き起こし循環器的な知識が必要になる場面もあります。アレルギーは耳鼻科・皮膚科など幅広い知識を必要とされます。また呼吸器疾患は急患・急変にも少なからず遭遇するので、救急の知識が必要とされる場面も多く、アドレナリンが湧き出るような現場に遭遇することも少なくありません。内科一般の幅広い知識が必要とされる科であると自負しています。

なぜ今、呼吸器内科なのか?

厚生労働省の統計によると肺がんは年間約71,518人の方がお亡くなりになり、日本人の悪性新生物における死因の第1位です(平成24年(2012)人口動態統計より)。肺癌と診断された方のうち、治るのは比較的早期に発見された20%程度です。ただ悲観的なことばかりではなく、最近は抗がん剤や放射線治療などの治療結果もよくなっていますから、5年生存率はどんどん伸びてきています。生命科学分野における研究と早期診断・確実な治療のための、肺がんオンコロジストの育成が必要です。

同様に肺炎では年間約123,925人の方が亡くなられています。これは日本人の全死因の中で第3位です(同)。数多くの肺炎患者が発生している中、呼吸器感染症の専門医が充足していないという現状があります。また、他疾患でのステロイド投与や膠原病などでの生物学的製剤の導入が盛んになり、免疫抑制患者さんが増加しています。そのために診断に苦慮する呼吸器感染症も増加しており、呼吸器感染症の専門医が必要です。

厚生労働省によって2013年度から2022年度まで健康日本21(第二次)(二十一世紀における第二次国民健康づくり運動)が行われています。主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底を目標とする中で、「死亡原因として急速に増加すると予測されるCOPDへの対策が、国民の健康寿命の延伸を図る上で重要な課題である。」と提言されました。COPDは日本における死因順位第9位(16,402人)となっており(同)、全体としては増加傾向にあります。今後さらに患者数が増加することが懸念されているため、禁煙指導を正しく行うことによる予防や早期の診断と適切な治療を高いレベルで行うことのできる呼吸器疾患専門医の存在はこれからさらに重要視されるでしょう。
図
近年の医学の進歩により、腫瘍性疾患に対して分子標的治療が行われることが一般的になってきました。また、それ以外にも各種薬剤の副作用により薬剤性肺障害の発生例が増加し、注目されています。呼吸器疾患のみならず、他領域の疾患においても呼吸器科専門医によるサポートが求められることが多くなってきています。

喘息の有病率は小児では6%、成人では3%程度まで増加し、ほぼ10年ごとに1.5~2倍程度増加していると報告されており、呼吸器系アレルギー専門医が必要とされています。

以上のような呼吸器科専門医を取り巻く状況に加えて、慢性的な医師不足の状態である北海道では、特に呼吸器領域の医師の増加が多く望まれています(厚生労働省調査2010)。

当科のスタッフの多くは呼吸器学会専門医・指導医を取得しており、呼吸器全般の教育準備がしっかり整っています!

呼吸器・アレルギー内科の研修・教育システムは?

病棟はグループ制をとっており、その中で患者さんの主治医となります。そして一連の診療の過程で指導医によるきめ細やかな指導・教育が行われています。グループカンファレンスのほか、一つの症例を全員で診て意見を交わす症例検討会も毎週行っています。また、呼吸器外科・放射線診断科/治療科とも連携しながら、疾患の治療に当たっています。研修医による学会発表も盛んで、指導医が積極的にサポートします。呼吸器を専門にしようとする研修医をしっかりと教育できるよう工夫されています。
教育システム

呼吸器内科の検査と治療手技は何があるの?

専門医に直接指導を受けながら呼吸器内科医の基本手技である胸水穿刺・胸腔ドレナージ、気管支鏡検査(BF, BAL, TBLB, EBUS-TBNA, EBUS-GS)、気管支鏡インターベンション(レーザー—治療、ステント留置など)の手技を習得し、呼吸機能検査、血液ガス検査の結果の解析や、胸部レントゲン検査、CTなどの読影能力の向上、吸入療法・酸素療法(人工呼吸器の管理を含む)、化学療法などの理論と実際を学ぶことが可能です。
検査と治療手技

初期臨床研修医の研修プログラムは?

 図のように、3つのコースから最大17か月選択することが可能です。
コース図

卒後3年目以降はどうなりますか?

 当科では卒後3年目以降も学内、関連病院での勤務を通じての専門医の取得、大学院での博士号の取得などを継続してサポートしていきます。また専門医および学位取得後は、大学のスタッフとして、診療・臨床研究・教育に携わるか、関連病院において指導医として専門領域に携わるかの選択が可能です。
「専門医」と「学位」取得への道

取得できる認定医・専門医は?

主に取得できる資格として
  • 日本内科学会 内科専門医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医・呼吸器指導医
  • 日本アレルギー学会 アレルギー専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医・指導医
  • 日本感染症学会 感染症専門医
  • ICD(Infection Control Doctor)
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本禁煙学会認定指導医
ほかにも希望に応じて取得可能な専門医があります。

主な留学先はどこですか?

研究内容は本人の希望に応じて、より最先端の研究をしているところが選ばれます。
最近では、下記施設に留学し、優れた研究成果を学会発表・論文発表しています。
  • 田中 悠祐 先生(2019年~2023年)
    • University of Cincinnati College of Medicine: Prof. Francis X McCormack
  • 関川 元基 先生(2022年~)
    • 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
  • 本田 宏幸 先生(2023年~)
    • 長崎大学 感染症内科/呼吸器内科
  • 佐藤 亮 先生(2023年~)
    • 国立病院機構相模原病院 アレルギー科/呼吸器内科

関連病院はどこですか?

札幌が比較的多いですが、地域医療にも貢献し、その地域の基幹病院に勤務しています。関連病院は全て、呼吸器・感染症・アレルギー内科として特化した診療科を保有し、専門性の高い検査・治療件数の実績があります。充実した研修を行うことができるでしょう。

具体的な病院に関しては以下のリンクをご参照ください。

呼吸器・アレルギー内科の関連病院とその病床数

各病院に指導医がおり、しっかりとした教育、指導が受けられます。
道央
  • 札幌市および近郊
    • 札幌厚生病院:494床
    • NTT東日本札幌病院:301床
    • JR札幌病院:312床
    • 手稲渓仁会病院:524床
    • 南一条病院:162床
    • 南三条病院:99床
    • 斗南病院:283床
    • JCHO 札幌北辰病院:276床
    • 即仁会北広島病院:90床
  • 室蘭市
    • 市立室蘭総合病院:587床
    • 製鉄記念室蘭病院:282床
  • 小樽市
    • 市立小樽病院:223床
道南
  • 函館市
    • 市立函館病院:844床
    • 函館五稜郭病院:636床
道北
  • 旭川市
    • 旭川赤十字病院:765床
道東
  • 釧路市
    • 市立釧路総合病院:655床
  • 帯広市
    • 帯広協会病院:300床

ライフステージの変化に対応してくれますか?

出産・育児などライフステージの変化に伴う勤務形態の変更にも相談に応じます。当科の女性医師の一例をご紹介します。
出産・育児への対応

その他、教室の特徴?

テニス練習会・バドミントン練習会・ボーリング大会など、季節ごとにレクレーションがたくさんあります。コロナ禍の前には医大生を交え、札幌ドームでの6時間耐久マラソンにも出場しました。また、札幌医大以外の卒業生も多く、アットホームな雰囲気の良さが自慢です。
    • 2013年 6時間リレーマラソンの写真
    • レクレーション等の写真
    • 写真

お問い合わせ

札幌医科大学医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座

最終更新日:2023年04月05日



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