地域医療支援システムを活用した主な取組み


■離島と道立病院のネットワークの後方支援

 北海道は地域医療対策として、現在3カ所の離島の医療機関と地域センター病院とをネットワークで結ぶ画像診断支援システムを整備・運営しており、札幌医科大学は同一のシステムで後方支援をしています。
 緊急時には、リアルタイムな遠隔画像診断や読影サービスを、平常時には、画像を含めた診療データ等の事前伝送により、診断、診断計画、計画に関する遠隔症例検討、患者の転送の診断や時期に関する協議、転送手段、受入病院に関する協議などの支援を行っています。
 また、札幌医科大学の学生の臨床実習では、現地の教育協力者を講師として、現地の症例検討を体験し、画像通信等による遠隔地診断支援の重要性と地域医療に対する認識の向上を図っています。


■町立阿寒病院への支援

 札幌の東北東230キロに位置する阿寒町立病院は、地域の基幹病院ですが、一般内科と消化器科以外の専門医が勤務していないため、血液疾患の診断や治療方針の決定に時間がかかるなどの支障がありました。
 テレコミュニケーションシステムの開設によって、阿寒町立病院の医師が画像と音声を介して、札幌医科大学の専門医と遠隔症例検討ができ、地域住民への医療サービスのレベルとスピードアップが可能となりました。


■町立別海病院への支援

 別海町立病院には常勤の皮膚科医がいないため、札幌医科大学から月に2回出張医が診療に出向いています。
 出張に行かない週の半ばに別海病院の常勤の医者との間で定期的なテレコミュニケーションを行い、アトピー性皮膚炎、じんましん、急性感染症など主に小児の皮膚疾患について、画像診断と音声を通じて、相談を受けています。画像の見えるテレヘルスによる相談は、同伴の母親も安心するようで好評です。


■別海町へのテレヘルス支援

 札幌医科大学保健医療学部では、1997年から道東の別海町の保健婦、看護婦、理学療法士等との間でISDN回線を接続し、本システムの実験も兼ねた遠隔支援体制を試みています。
 町立病院の看護婦及び町立保健センターの保健婦、歯科衛生士、栄養士に対しては、継続教育の一環として保健事業の評価、及び呼吸リハビリテーション研修など、また別海地域で一人しかいない理学療法士に対する様々な援助(患者に対するリハビリテーション技術のコンサルテーション)などを行ってきました。
 これらの成果は今後、北海道の地域保健やリハビリテーションの質的向上、そして新人のコ・メディカル支援などに効果が発揮されていくことが示唆されます。


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