日米衛星高速インターネット通信実験(GIBN)
Visible Human Project データの高度応用システムの開発
札幌医科大学では、1997年から高度情報化社会における医学系アプリケーショ
ンとして画像を用いたバーチャル技術研究等を行ってきました。
これは、情報
G7(先進7カ国情報通信閣僚会議)で企画された国際共同プロジェクト(GHA
P)の一環であり、札医大ではアメリカ国立医学図書館の解剖学データ(VHP)
を活用したデータベースを各国と協力し作成する準備をすすめて参りました。
そのなかで開発したシステムを情報G7の別のプロジェクトであるGIBNの実験に
応用した実験の成果を発表します。このなかでは、以下の新しい試みに取り組
みました。
- マルチ・パラレル・コンピューティングによる高速画像生成
- 衛星を使った日米間の高速インターネット通信実験
- BGP4の経路制御による衛星リンク(N-STAR, INTELSAT155Mbps)と地上線
(IMnet,APAN)との自動切り替え
附属情報センターのネットワークに接続された複数のコンピュータ(MacOS
X server 35台)のメモリー上に13Gbyteもある人体横断面データを全て置き並
列処理することにより、任意断面を生成するシステムを開発しました。従来、
一台のコンピュータで2000秒を要していたものが僅か2秒で得られるように成
りました。
さらに、NASA、CRL、NORTHとの共同実験により、次世代高速イ
ンターネットや衛星を介し上記のシステムを地球の裏側(アメリカ・ワシント
ンDC)から利用できるようになりました。インターネットの経路が自動的に衛
星リンクと地上線とが切り替わるように制御されています。これは、エンドユー
ザの利用を念頭においた衛星を使った次世代インターネットの世界的にも例の
ない基礎実験です。
GHAP:Global Health Application Project世界的保健医療アプリケーション
GIBN:Global Interoperability for Broadband Network 高速通信の相互接続性相互運用性に関する実験
VHP:Visible Human Project 米国国立医学図書館のプロジェクト
BGP4:Boarder Gateway Protocol version4 経路制御プロトコール