札幌医科大学のレディースクリニック

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生殖内分泌外来(不妊症外来など)

不妊症、習慣流産、内分泌異常などの診療

当科では、日本生殖医学会認定の生殖医療専門医を中心に不妊症、習慣流産、内分泌異常などの診療を行っています。大学病院という利を生かして泌尿器科や内科等と連携し、様々な合併症を持った方にも対応しています。

また、当科の特徴は不妊の方が妊娠するまで、不育症の方の流産防止、妊娠継続後は当院産科にて安全に分娩するまで、同グループの医師が診ていきます。

対象となる患者様
  • 不妊症・男性不妊(泌尿器科と連携)
  • 不育症
  • 月経異常・排卵障害
  • 他 内分泌異常

生殖年齢にある女性の体は色々なホルモンによって調節されています。
何か不安を感じた時は、是非ご相談ください。

性同一性障害(GID)外来

婦人科では内分泌外来担当医が、GIDの方の診療を行っています。今まで約150名のFTMの方の診察をして、特徴的なのは一般集団よりも多嚢胞性卵巣症候群の頻度が極端に高いことです。この方たちは将来的には生活習慣病になりやすく、注意深い観察が必要です。特に性ホルモンを投与開始後の副作用に注目したフォローをしています。

不妊症

不妊症

なかなか赤ちゃんができないなぁ・・・

一般的に2年間夫婦生活をしても授からなければ『不妊症』と言われますが、患者様の体内状況や年齢によって一概にそうとは言えないこともあります。
現在、結婚年齢が上昇しており、それに伴い子を望む年齢も上昇。卵巣で眠っている卵の基も同様に年齢を重ねていることになります。

あれ?と思った時が治療の時かもしれません。早めに一般的な検査を受けてみることをお勧めします。

原因を知るために検査は、とても重要な要素になります。
それぞれの検査は、お一人お一人のからだの調子により、受けていただくかどうか、また、受けていただく時期などもことなります。原因をさがす検査は、ご夫婦が平行して進められることが大切です。そして、その検査の目的、検査結果を十分にご理解の上、それに基づいた治療方針を検討していきます。

当科での一般検査

月経周期に合わせた検査が必要になります。

月経周期
月経期月経5日目ホルモン検査
(LH,FSH,エストラジオール,プロラクチン)
卵巣機能の評価
卵胞期月経7~10日目子宮鏡・卵管造影子宮の形態や卵管の疎通性の評価
排卵期月経12~16日目超音波卵胞計測排卵日の予測
頚管粘液検査排卵日の予測
ホルモン検査(LH,E2)排卵日の予測
フーナーテスト朝性交渉後来院(3時間以内)
頚管粘液中の精子の数、運動能の評価
黄体期高温層6~8日目ホルモン検査
(プロゲステロン,エストラジオール)
黄体機能不全の評価
その他 クラミジア抗体検査、プロラクチン、精液検査

基礎体温は現状を知る上でとても参考になります。是非記録して受診時お持ちください。朝目覚めたときの体温(起き上がる前)を測定し、測定に用いる体温計は普通の体温計よりも温度の変化を細かく測定できる婦人体温計を用います。毎日同じような時間に測定出来るのが理想ですが、多少ずれても構いません。1日2日忘れてしまっても、続けて記録してください。

上記検査にて異常が見つかった場合は、その治療をしながら(または、対応しながら)妊娠を目指していきます。

卵管形成術、子宮筋腫、子宮内膜症(子宮腺筋症)の内視鏡手術

不妊症に関わる手術として腹腔鏡下子宮筋腫核出術、子宮鏡下粘膜下筋腫核出術(レゼクトスコピー)などは比較的よく行われていますが、現在卵管形成術をする施設は極めて限られています。現実には卵管の問題で妊娠できない方が増えているのが現状です。卵管通過障害の場合には卵管形成術(腹腔鏡手術、卵管鏡手術など)をすれば妊娠できる方がいます。このような方法で卵管が通るようになれば体外受精をしなくても妊娠できます。また避妊手術で卵管を結んだ方の卵管をつなぐ手術も腹腔鏡で行なっています。また症例によっては子宮腺筋症の核出術も腹腔鏡で実施しています。

主だった原因が特定出来ない場合は個々に応じてタイミング→体外受精へ進めながら妊娠を目指していきます。

ここでは、ご夫婦の意向に添って進めていきます。『体外受精までやりたい!!』『人工授精までかなぁ』等、遠慮なく医師にお伝えください。ご夫婦にあった方法を検討していきます。
また、体外受精へ進む際は、外来の時間以外に別途ご夫婦で来院いただき医師から説明を受けていただいています。

タイミング

卵胞期に超音波にて卵胞径を測定し排卵日を予測します。
排卵日までまだ数日ありそうな場合は、また指示の日時に来院いただき、卵胞チェックしていきます。

卵巣刺激

排卵が正常な方でも妊娠率を上げるために卵巣刺激を行うことがあります。
通常1ケの卵胞が育ち卵子が排卵されますが、刺激(飲み薬or注射)を行うことで1~3ケ程の卵胞が育ってきます。

人工授精

卵胞期に超音波にて卵胞径を測定、排卵日を予測し、濃縮洗浄した精子を直接子宮の中に注入します。
人工授精当日、滅菌カップにマスターベーションで採取し提出された精液を濃縮洗浄(処理40~50分)し、外来にて子宮内へ注入します。人工授精の処置自体は5~10分、その後診察台上で10分休んでいただき、終了となります。

人工授精
適応
  • タイミングの次のステップ
  • 頚管粘液が少ない
  • フーナーテスト不良
  • 精液所見が不良 等

体外受精・胚移植(IVF-ET)

卵巣刺激を行い複数個の卵胞を育てて、卵胞が良い大きさになったところで採卵します。
調整した精液と卵を体外で受精させて(胚)数日培養し育てて、子宮に戻します。

体外受精・胚移植(IVF-ET)

顕微受精(ICSI)

乏精子症や無精子症(泌尿器にて睾丸より精子を採取)、また通常の体外受精で受精しなかった(受精障害)等の場合、採卵後の受精方法は、卵に直接精子を入れる顕微受精になります。

顕微受精(ICSI)

採卵当日は半日入院していただきます。
泌尿器科と連携しTESE-ICSIも行っています。

胚(受精卵)凍結

受精卵が複数個できた場合、また、その周期に胚移植できない場合、受精後1日~2日後に凍結保存します。
次周期以降にホルモン補充して子宮内環境を整えて、融解した胚を移植します。

体外受精・胚移植、顕微授精、胚凍結、凍結胚移植に関しては保険適用ではありません。
体外受精に関わる排卵刺激(注射、飲み薬)も同様です。
治療費としては高額になりますが、自治体より補助を受けることも出来ます。
各自治体にご相談ください。

札幌市の場合(札幌市のホームページより 2011.10.1現在)

1回の治療につき15万円まで、1年度(4月1日から3月31日まで)あたり、1年度目は年3回、2年度目以降は年2回を限度に、通算5年度間助成します(ただし、通算10回まで)。助成年度は申請を受理した日が属する年度となります。1回の治療に要した費用が15万円に満たないときは、その額となります。

なお、「1回の治療」とは、採卵準備のための投薬開始から、体外受精または顕微授精1回に至る治療の過程を指します。また、以前に行った体外受精または顕微授精により作られた授精胚による凍結胚移植も1回とみなします。

札幌市特定不妊治療費助成について

不育症(習慣流産)

不育症(習慣流産)

妊娠はしても流産や死産を繰り返してしまうのはどうして・・・

妊娠は比較的すぐにするのですが、残念ながら流産、死産をくり返す方がいます。
2回流産した場合を反復流産、3回以上流産を繰り返した場合を習慣流産といい、習慣流産は不育症の大部分を占めます。
一般的に1回の独立した自然流産の頻度は10~15%と考えられていますがそれ自体は決して珍しいことではなく、胎児の染色体異常が原因のことが多いのです。
しかし、習慣流産の頻度は自然淘汰という考えではとらえにくく、妊娠を維持できない原因が他にあると考えられています。
流産回数が増えるに従って、次の妊娠における流産率が高くなることがわかっており、最近では流産を経験する苦痛を考慮し、反復流産の時点で検査を検討することもあります。
原因には、ホルモン異常、子宮の形態異常、血栓形成傾向、染色体異常、妊娠免疫異常などがあります。
ただし、原因を調べてもはっきりとわからず、まだ解明されていない部分も少なくありません。

当科での検査および治療

記の検査や治療は保険適用ではないものもあります。 流産を繰り返すと「早く次の妊娠をしたい」と思う一方で「また流産してしまうのではないか」という怖さや不安が生じてくるのも当然です。「二度と同じ思いをしたくない」という気持ちから、まだ行っていない検査や治療をした方がよいのではないか、と悩むこともあると思います。検査の必要性や次の妊娠の時期などについては医師ともよく相談し、ご夫婦で話し合って決めていきましょう。

 病名治療法
内分泌、代謝因子黄体機能不全黄体ホルモン剤、hCG製剤、クロミッド療法、ゴナドトロピン療法、ビタミンC
高プロラクチン血症ドーパミン作動薬
甲状腺機能異常甲状腺薬
甲状腺ホルモン製剤
インスリン抵抗性
多嚢胞性卵巣症候群
インスリン抵抗性改善薬
子宮因子子宮奇形子宮形成術
子宮頚管無力症子宮頚管縫縮術
自己免疫異常血栓症素因抗リン脂質抗体症候群低用量アスピリン療法、ヘパリン療法
遺伝因子染色体均衡型構造異常着床前受精卵遺伝子診断
原因不明 免疫グロブリン療法(治験)
不育症(着床前診断など)はこちら

月経異常・排卵障害

通常、妊娠が成立しなければ、毎月1回のペースで排卵(卵子の放出)があり、その約2週間後には月経による出血が見られます。
卵胞の発育や成熟に問題があって 排卵しないと多くの場合月経が起こりません。
月経周期が不順、月経が来ない方は早い段階で根本的な原因を調べることをお勧めします。
将来的に不妊へつながる兆候かもしれません。

ホルモンバランスの乱れ

生殖に関係している複数のホルモン間のバランスが乱れると月経異常となります。
性ホルモンを分泌する主要器官(視床下部、下垂体、卵巣)そのものに問題がある場合もあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

超音波で診察をすると卵巣に小さな卵胞がたくさん並んで見えるのが特徴で、生殖年齢の5~10%の女性に確認され珍しい疾患ではありません。
代表的な症状は月経不順、無月経、不妊症、流産のほか多毛、にきび、インスリン抵抗性(メタボリックシンドローム体質)などがあります。
当科では、インスリン抵抗性改善薬や卵巣多孔術等、様々な治療でこれまで全国有数の治療拠点として実績を上げています。

当科では、さらにPCOSを研究、そのヒトの分子遺伝学的体質(遺伝子多型)明らかにする研究をして、その方の遺伝子多型に合わせた治療を考えるオーダーメイド医療を目指しています。
※遺伝子多型とは、たとえばお酒に強い方弱い方がいるのは、遺伝子の1個の塩基の差によるというような遺伝子による体質の違いのことです。

早発閉経

閉経を迎える年齢は平均50歳前後と言われていますが、卵巣に蓄えられている卵子が本来よりも早期になくなった女性は、早くに閉経を迎えます。