産科部門Q&A

産科部門Q&A

  • 薬局などで売っているステックみたいな妊娠検査薬はどの程度の確率で妊娠が分かるのですか?

    市販の妊娠検査薬はモノクローナル抗体を用いてHCGが50~150単位/Lで反応するよう調整してあります。従って陽性に出た場合、他のホルモンを感知する確立は0.1%以下と極めて正確です。陽性に出た場合は、あくまでHCGが分泌されていると言うだけです。異常妊娠の場合もありますので正常妊娠か否かは必ず専門医を受診してください。

  • 女性は、どのくらいの数の卵子を持って生まれてくるのですか?

    妊娠5ヵ月の胎児は、700万個の卵子を持っています。しかし、生まれたときには200万個、思春期には40万個にまで減ります.出生後、新しく卵子が作られることはありません。

  • 妊娠がわかる前に、胸のレントゲン写真を受けてしまったのですが?

    現在では、妊娠初期にX線被爆を受けた場合、5rad以下の被爆では、流産や催奇形性、知能発達遅延は生じないと考えられています。胸のX線は、1枚0.01~0.02mradの被爆量ですので、赤ちゃんが奇形になる確率は、X線検査をしなかった場合と同じと考えてよく、胸の写真を1~2枚撮っただけであればまず赤ちゃんに問題ないと考えてよいでしょう。

  • 子宮筋腫と言われましたが、下からのお産は可能ですか?

    筋腫があるというだけでは帝王切開になりません。筋腫が産道(赤ちゃんの通り道)の邪魔になるような場合は帝王切開になりますが、筋腫が産道の邪魔になるかどうかは10ヶ月近くにならないとわからないことが多いので、あまり早いうちから心配する必要はないと思います。また、妊娠中は、筋腫があるとおなかが張りやすくなりますし、妊娠により筋腫は大きくなり痛みが出てくる場合があります。そのような場合は、病院を受診して下さい。

  • 赤ちゃんがおなかのなかで痙攣(しゃっくり)様の動きをしますが。

    規則的に連続するしゃっくり様の運動を感じたのでしょう。それは妊娠がすすんでくるとよくあることなのです。跳躍様歩行といわれる運動の一つで、規則的に何回か続けて起こる運動です。たいてい、心拍ぐらいの早さで、数秒から数十秒の間、続いたあとで止まっていると思います。正常な発育の一つですから、心配いりません。

  • 中期より午前中に手がしびれてぴりぴりした感じがします。

    手の神経は、手首の狭いところ(手根管)を通っているため、妊娠に伴うむくみにより手の神経が圧迫されて、手のしびれが起こるのです。妊娠中期から見られる症状で、妊婦さんの25%に出現されるとされています。ほとんどの場合、症状の程度は軽く、治療の必要はありません。手をこすったり、握る動作を繰り返すと症状は軽くなります。また、お産をするとほとんど自然によくなります。日常生活では、手首を強く曲げたり、長時間同じ動作を行わないよう、また、塩分をひかえるよう気をつけましょう。

  • 腰痛がつらいのですが。

    妊婦さんの7割の方が腰痛を経験します。子宮は増大し、腹部が前方へ突出するので重心が前に移動します。その結果、バランスを撮るために腰椎前彎(そり)が強くなり、背筋の緊張過多となることが腰痛の主因です。また、妊娠中のホルモンの作用により脊柱や骨盤の靱帯がゆるむことも一つの原因となっています。分娩後、半年以内に消失することがほとんどです。対策方法としては、あまり体重を増やさない、立位姿勢を長時間続けない、腰痛を感じたら早めに横向きなどで休むなどの日常生活の注意の他、湿布など炎症を抑える外用薬の治療があります。まれですが、脚のしびれや痛みを伴う場合には、腰椎椎間板ヘルニアを合併していることもありますので、主治医とよく相談して下さい。

  • 妊娠中ですがオリモノが増えて、少しかゆみも感じます。市販の軟膏を塗ってもよいでしょうか?

    妊娠中は、正常でも膣分泌物が増えることが多いです。しかし、かゆみやにおいを伴うときはカンジタなどの膣炎になっていることがあります。また、正常では膣内をきれいに保つ乳酸杆菌が少なくなると早産や前期破水の危険性もあります。自分で判断しないで病院を受診してください。

  • 高齢妊娠ですので赤ちゃんの染色体異常が心配です。

    羊水検査などの出生前診断法があります。検査にはリスクがあることなど詳しいお話を効くことが必要です。外来で担当の先生によくお話を聞いてください。

  • 現在妊娠中ですが、上の子が通う幼稚園でりんご病が流行っています。どうしたらよいでしょうか?

    りんご病の原因であるパルボウイルスは、妊娠初期の母体に初めて感染すると、流産の原因となったり、胎児の貧血からおきるむくみの原因になることがあります。頻度としてそれほど多いわけではありませんが、なるべく妊娠中はかぜなどの伝染する病気がはやっている幼稚園や、人ごみには近づかないほうがよいでしょう。帰宅後のうがいや手洗いも大切です。もし、お子さんがかかった場合は主治医に相談してください。

  • 生理が遅れたので市販の妊娠判定薬で調べたところ陽性と出ました。いつ頃までに産婦人科を受診したらよいでしょうか?

    最終月経はいつでしょうか。28日周期で順調なら、次の月経が来る予定の1週間後くらいには超音波でも妊娠が確認できます。子宮外妊娠や胞状奇胎などの異常がある場合もありますので、妊娠反応陽性となった時点でなるべく早く産婦人科を受診したほうがよいでしょう。

  • 陣痛の痛みが心配です。麻酔を使って痛みを和らげる方法があると聞きました。

    当院では、医学的適応のある症例に限って硬膜外麻酔による和痛分娩を提供しています。主に先天性心疾患や妊娠高血圧症候群など、頻回の努責が望ましくない疾患をお持ちの妊婦さんを対象としています。 麻酔は麻酔科専門医が導入・管理を行いますが、十分な管理下で行うため、原則として計画分娩を行っています。また、和痛分娩にはメリットもありますが、一方で処置に伴う合併症などのリスクもあるため、症例ごとに適切かどうかの検討を行っています。自分が対象か相談したい、という場合は一度当院を受診して頂き、産科外来で担当医にご相談ください。

  • つわりでほとんど食べることができませんが、赤ちゃんは育つのでしょうか?

    はい、通常は順調に育ちます。つわりは本来、病気ではないので、食生活を工夫(朝起きたらすぐに口に入るものなら何でもいいので、摂取する。常に空腹および満腹とならないよう、食事の回数を1日に5回くらいに小分けにするなど)することで改善が期待でき、特別な治療を必要としないことがほとんどです。ただし、”お母さんの体重が妊娠前より5キログラム以上減少した”、”水分摂取も不可能である”、”尿検査でケトン体が強陽性となる”場合は、入院・点滴治療が必要になることもあります。

  • 妊娠中に虫歯が悪くなりました。治療したほうがいいのでしょうか?

    はい。すぐに歯科医に受診してください。妊娠中は、口腔内が酸性になりやすく、そのため虫歯が悪化することが多くなるといわれています。歯科医受診の際は、妊娠していることを申し出てください。

  • 妊娠3ヶ月ですが食べ物の好みが変わりました。異常でしょうか?

    ホルモンの変化により、起こるといわれています。特に妊娠初期に多い傾向があります。

  • 鼻が充血して、鼻血が出やすくなりました。異常でしょうか?

    エストロゲン、プロゲステロンの影響で、鼻粘膜への血流が豊富になり、また柔らかく膨れ上がるために起こります。

  • 腰の右側がお尻から足にかけて痛みます。(妊娠8から9ヶ月)

    これは子宮が坐骨神経を圧迫するために起こります。

  • 時々尿を漏らしてしまいますが異常でしょうか(妊娠9ヶ月)

    咳やくしゃみの時に腹圧性尿失禁が起こることがあります。

  • 息苦しくなることがあるのですが...

    妊娠性のホルモンにより肺や気管支の筋肉を緩めるために起こることがあります。増大する子宮のため横隔膜が押し上げられことも原因です。胸痛や頻脈、呼吸が速くなった場合は医師に相談してください。