会長挨拶

第20回日本バイオセラピィ学会学術集会総会開催にあたって

会長写真

第20回日本バイオセラピィ学会学術集会総会
会長 渡辺 直樹

    この度は、第20回日本バイオセラピィ学会学術集会総会を担当させて頂き、大変光栄に存じております。
    本学会は、生物活性物質(BRM)の研究を通して、癌と関連疾患に対する生物学的治療に貢献することを目的に、当初、JBRM学会の名称でスタート致しました。その後、疾患の病態が細胞あるいは分子レベルで理解可能となり、抗体療法や細胞療法あるいは分子標的治療といった新たなバイオセラピィの開発および実践に貢献して参りました。さらに、癌に加えアレルギー性疾患や炎症性疾患等、バイオセラピィの対象疾患が急速に拡大し、それに伴う会員数の増加と構成会員の多様化により、学会の研究内容をより的確に表す「日本バイオセラピィ学会」へと名称が変更されました。この間、バイオセラピィの開発や実践の基本となる「日本バイオセラピィ学会臨床試験ガイドライン」を作成するなど、本学会の果たす役割は益々高まってきております。
    そこで、今後への期待を込めて、「明日のバイオセラピィ−新たな可能性を問う」を今大会のテーマと致しました。特別講演としては、新津洋司郎先生に「Iron depletion による肝癌の予防」、片野光男先生に「形態形成シグナルと癌」、鶴尾隆先生には「がんの標的治療研究とその応用にむけて」を、それぞれお話し頂きます。また、「免疫・細胞療法の現状と問題点」と「多施設共同研究の現状と課題」と題したシンポジウム2課題に加え、ワークショップ3課題、口演13課題をプログラムさせて頂きました。
    本学会は、バイオセラピィに携る方々が産学の立場を超えて参加し、情報交換する場であります。活発な討論を通してバイオセラピィの新たな可能性を体感し、明日の診療に役立てて頂ければ幸いです。多くの皆様の御参加を、心よりお待ち申し上げております。